今ヶ瀬と恭一の事後。
揺れるカーテン、
「だっさいカーテン」
例によって皮肉な今ヶ瀬の物言いに、恭一は同意します。
「だな」
この後の展開が、ふと、たまきの母と常務。若き日の二人に、思えてしまったのです。

「ひどい男ですね」
奥さんがいるのに私に手を出して、妊娠させて。
「じゃあ、彼女(奥さん)と別れてください。
別れられるわけないか」

恭一ではないので、常務はこう答えます。
「すまない。ちゃんと認知はするから」

以上、妄想おわり。
失礼しました。

実際には、恭一は明日、たまきと別れると明言します。
「嘘だ、らしくないよ、無理ですよ」
全く信じようとしない今ヶ瀬。
「別れてください」は、確かに冗談めかして言っていたけど、なんなのだ、この反応は。
初見では、本当にたまげました。

翌日、今ヶ瀬は消えたけど、恭一は、たまきと別れます。
ここで、またまた驚く私。
出ていった「前の相手」が戻ってくるまで、そばにいさせてほしい、と懇願する、たまき。
別れるなんて嘘だ、と言わんばかりに、いなくなった今ヶ瀬。
婚約解消のに、出ていった相手が戻るまで、でいいから、交際を続けたい、たまき。
なんなの、この二人は。
互いに「二番目でいい」と言い張っているような。

その態度だけ見ると、似ている二人。もちろん、「二番目」でいたい理由は違いますが。
恭一の胸で、たまきが言った言葉。
「あまりにも相手を好きになりすぎると、自分の形が保てばくなって壊れるんですよね」
唐突すぎるし、たまきには似合わないセリフ。母親の受け売りだろうとコメントいただき、納得しました。今ヶ瀬になら、ぴったり、恭一を好きすぎて壊れっぱなしだから。
この場面、たまきが今ヶ瀬に成り代わって口にしたような気がします。恭一の部屋、しかもベッドの上。本来は今ヶ瀬のいるべき場所なのです。

「好き」ってなんだろう、考えてしまいます。
夏生は今ヶ瀬に尋ねました、「恭一のどこがいいわけ?」
「理由なんてないでしょ」が、今ヶ瀬の答え。
そう、理由なんてない、一目で恋に落ちるには。

ファンデーションのことで苦しんだのは、恭一を独占ししたかったから。でも結局、お互いのために別れを決めた。
決めたはずなのに、頭では理解していても、心は違う。ストーカー行為を止められない。よりを戻し、「一緒に暮らそう」と言われたら逃げてしまう。恭一の「例外」になることが、重すぎた?
二番目でいることが許されないなら、離れていくしかないと?

たまきは、壊れるほど恭一を愛してはいなかったと思う。そんなしんどい思いを知る必要はない、早くいい人見つけてくださいね。

常務は国広富之が演じていましたね。どこかで見たことあるなあ。
エンドロールで、あら、トミーだったのね。時の流れは残酷、と思いつつ、若い頃の美貌を知っているだけに、もてて当然、と思った次第です。